原産協会の新井史朗理事長は1月21日、プレスブリーフィングを行った(=写真)。年明け後最初のプレスブリーフィングに際し、新井理事長は1月5日に発表した理事長メッセージ「2021年の年頭に当たり」を改めて紹介。同メッセージでは、新型コロナウイルス感染拡大によるエネルギー需要の減少、2050年カーボンニュートラル宣言など、原子力産業界を巡る2020年の動きを振り返った上で、原産協会が取り組む「原子力発電に対する理解の獲得」、「福島復興支援」、「人材確保・育成」、「国際協力」について述べている。2020年は新たな再稼働プラントがなかったが、2021年の見通しについて問われたのに対し、新井理事長は、「新規制基準に基づく設置変更許可を取得したプラントすべてが一日も早く再稼働して欲しい」と期待。1月12日に安全対策工事が完了した東京電力柏崎刈羽7号機については、2007年の新潟県中越沖地震に伴い停止した際の地元への対応も振り返り、「県全体での丁寧な説明が必要」などと述べた。昨夏に議論が始まったエネルギー基本計画の見直しに関しては、東日本大震災直後の火力発電停止や計画停電の経験、昨今の厳寒によるLNG在庫減少にも触れ、電源の多様化・ベストミックスの重要性、電力の安定供給確保における原子力の優位性を強調。10月には東京と大阪で学生向けの合同就職説明会「原子力産業セミナー2022」が開催され前回を上回る来場者を集めたが、今後の新増設・リプレースも見据え、引き続き人材の確保・育成、技術の維持・向上に取り組んでいく考えを述べた。
22 Jan 2021
2068
原子力規制委員会は1月20日、日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター(岡山県鏡野町)のウラン濃縮原型プラントに係る廃止措置計画の認可を決定した。2018年に申請されていたもの。廃止措置の完了は2040年度、解体費用は約55億円が見込まれている。ウラン濃縮原型プラントの遠心分離機(原子力機構発表資料より引用)ウラン濃縮は、核分裂しやすいウラン235を天然の約0.7%から軽水炉での使用に適した3~5%程度に高める燃料加工の一工程。原子力機構では、国内での核燃料サイクル事業の確立に向けて、1979年より技術開発に取り組んできた。ウラン濃縮原型プラントは、パイロットプラントの成果を引き継ぎ、遠心分離法濃縮技術や機器・設備の大型化など、商業化につなぐ研究開発を目的としたもので、1988年から2001年まで運転し約350トン(100万kWの原子力発電所で約3年分)の濃縮ウランを試験生産。1996年からは、回収ウラン(使用済燃料から再処理によって分離精製して回収したウラン)の再濃縮試験も行われた。原型プラントを通じて得られた技術は日本原燃の六ヶ所ウラン濃縮工場に導入されている。廃止措置計画で、プラント内の核燃料物質(六フッ化ウラン)については、原子炉等規制法による許可を受けた原子力事業者に廃止措置終了までに全量を譲渡するとしており、遅くとも2028年度末までの譲渡先決定を目指している。
20 Jan 2021
3549
12月下旬以降、全国的に厳しい寒さが続くところ、資源エネルギー庁は1月19日、最近1か月間における電力需給・市場価格の状況について、総合資源エネルギー調査会の電力・ガス基本政策小委員会(委員長=山内弘隆・一橋大学大学院経営管理研究科特任教授)に報告した。〈エネ庁発表資料は こちら〉それによると、12月下旬から1月上旬にかけて「数年に一度レベル」の非常に強い寒気が流れ込み、電力需要が昨年度同期間と比べて約1割増加したほか、天候不順による太陽光発電の低迷や、LNG在庫減で生じたガス火力発電の稼働抑制も加わり、「全国的に電力需給が厳しい状況となった」としている(=図、資源エネルギー庁発表資料より引用)。特に、西日本を中心に記録的な厳しい寒さや豪雪に見舞われた1月8日は、全国の7エリア(東北、中部、北陸、関西、中国、四国、九州)で、電力需要が、電力需給見通しで想定する「厳冬H1需要」(過去10年間で最も厳寒だった年度並みの気象条件での最大電力需要)を超過。こうした状況下、電力各社では、通常稼働していない高経年火力プラントの稼働や、需給ひっ迫エリアへの広域的な電力融通を図り、安定供給確保に努めている。火力発電の設備利用率は、全国的に寒波が訪れた1月8、12日には90%近くにまで上昇。電力需要の大幅増に伴い、LNG在庫量は大きく減少し、資源エネルギー庁では、ガス会社に在庫が少なくなった電力会社への融通を要請するなどの対応をとっている。また、北東アジア向けのLNG価格も、供給設備トラブルやパナマ運河の輸送船渋滞も加担し、1月初めには、直近の約8か月間で最大およそ18倍となるなど、急騰中(S&P グローバル・プラッツ報道)。資源エネルギー庁による説明を受け、同委員会の横山明彦氏(東京大学大学院工学系研究科教授)は、電力安定供給に関わるリスク管理の観点から「電源の多様化が極めて重要」と強調した。現在、国内の原子力発電所は、新規制基準をクリアし再稼働した計9基のうち、九州電力玄海3号機、同川内1、2号機、関西電力大飯4号機の4基のみが運転中となっている(川内2号機、大飯4号機は定期検査に伴う調整運転中)。
19 Jan 2021
3292
菅義偉首相は1月18日、通常国会の開会に際し施政方針演説を行った。菅首相はまず、新型コロナウイルス感染症の早急な終息に向けて、様々なソーシャルワーカーらに対する謝意を述べるとともに、自身も戦いの最前線に立ち、自治体関係者とも連携しながら「難局を乗り越えていく決意」を強調。3月に東日本大震災発生から10年を迎えることに関しては、改めて犠牲となった方々への冥福を祈り被災したすべての方々への見舞いの言葉を述べた上で、心のケアも含めたきめ細やかな取組を継続するとともに、福島については、2023年春の一部開所を見込む浜通り地域の復興・再生を目指した「国際教育研究拠点」などを通じ、「復興の総仕上げに向け全力を尽くす」と述べた。また、10月の所信表明演説で掲げた2050年カーボンニュートラルについては、「環境対策は経済の制約ではなく、世界経済を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換、力強い成長を生みだすカギとなるもの」と強調し、今後所要の予算措置を図っていくことを明言。さらに、次世代太陽光発電、低コストの蓄電池、カーボンリサイクル他、野心的なイノベーションに挑戦する企業を支援し最先端技術の開発・実用化を加速するとともに、水素や洋上風力発電などの再生可能エネルギーの拡充、送電網の増強、安全最優先での原子力政策を進めることで、「安定的なエネルギー供給を確立する」とした。この他、科学技術政策の関連で、12月の小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルの地球帰還を称賛した上で、「未来を担う若手科学者の育成」に意欲を示し、昨今の都市部から地方への人の流れを踏まえ、ポストコロナを見据えたテレワーク環境の整備や地方移住への後押しなど、地方創生や働き方改革の取組にも言及。米国バイデン政権の発足に関しては、「日米同盟はわが国外交・安全保障の基軸」などと述べ、バイデン次期大統領と早い時期に会い日米の結束強化を確認し、新型コロナ対策や気候変動などの共通課題に取り組んでいくとした。今夏の東京オリンピックについては、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として、東日本大震災からの復興を世界に発信する機会とすべく、感染対策を万全なものとして、世界中に希望と勇気を届ける大会」となるよう準備を進めていくと述べた。
18 Jan 2021
3672
東日本大震災発生から間もなく10年を迎えるのを前に、関連学会が一堂に会しこれまでの活動を振り返り今後の取組について考えるシンポジウムが1月14日に開催された。日本学術会議と防災学術連携体(防災減災・災害復興に関わる学会ネットワーク)の主催によるもの。感染症拡大防止のためオンラインでの開催となったが、アクセス数は約40学会による発表を合計し5,000件を超え、今回のシンポジウムを通じ、「分野横断の連携」が災害への備えや発災後の復興にとって重要なことなどが示された。〈資料等は こちら〉日本原子力学会の中島会長、被災地支援に向け展開してきた「福島特別プロジェクト」の活動を紹介福島第一原子力発電所事故の関連では、日本原子力学会が事故調査や廃炉に関わる専門的検討、被災地住民への支援など、これまでの取組について発表。事故発生から丁度10年となる3月11、12日には活動成果を振り返るとともに若手を交え原子力の未来像について議論するシンポジウムを行うことが紹介された。学術的連携に関しては、2016年に発足した36の学協会が参加する連絡会「ANFURD」をあげた上で、「社会科学的視点が要求される事柄もこの10年間で顕在化してきた」と、他学会との接点の拡大・緊密化を今後の課題として示唆した。日本森林学会の三浦氏(森林研究・整備機構)、次の10年に向け「記録し伝えること、対話を深めること、備えること」を強調日本地震工学会は、原子力学会との協力により発刊した技術レポート「原子力発電所の地震安全の原則」(2019年)を紹介し「外的事象については他分野の学会とも連携すべき」と指摘。日本森林学会は、森林内の放射性セシウム分布・動態に関するデータや木材学会との協力による産業影響調査について述べ「分野を越えた対話を」と、次の10年に向けた課題を提示するなど、それぞれ分野横断の重要性を強調した。災害のアーカイブ化・伝承に関しては、日本災害情報学会が2019年に双葉町に開設された「東日本大震災・原子力災害伝承館」について発表。チェルノブイリ博物館やネバダ核実験博物館など、海外のアーカイブ施設とも対比しながら、災害・復興の検証やコミュニケーション手法に関わる課題をあげ、「『何を伝え、何を学んでもらうか』を今後十分検討しなければ原子力災害の伝承は難しい」と述べた。原子力災害からの復興に関しては、「浜通り地域の生産動向で建設業の増加は復旧活動によるもの。これからが課題」(日本地域経済学会)、「長期にわたる災害の特質を踏まえた法制度や、原子力防災省のような行政組織の創設が必要」(日本建築学会)といった発言があった。シンポジウムでは、災害廃棄物対策や発災時の保健医療・公衆衛生活動に関わる課題、阪神・淡路大震災との対比の他、昨今の情勢に鑑み、自然災害の頻発・激甚化、新型コロナウイルス感染症による影響を危惧する声もあがった。※写真は、いずれもオンライン中継より撮影。
15 Jan 2021
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【国内】▽1日 政府・成長戦略の実行計画まとまる、原子力は「確立した脱炭素化技術的」と▽4日 大阪地裁で関西電力大飯3、4号機の設置変更許可を取り消す判決(17日に国が大阪高裁に控訴)▽8日 原子力機構の核不拡散・核セキュリティ総合支援センターが設立10周年シンポ、学生も交え議論(~9日)▽9日 規制委、日本原燃のMOX燃料加工工場に係る新規制基準適合性審査で事業変更許可▽10日 アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合がオンライン開催、グロッシーIAEA事務局長の講演も▽15日 経団連が2050年カーボンニュートラル実現に向け決意・アクションを表明、「原子力は不可欠」と▽16日 日本原燃がMOX燃料加工工場のしゅん工時期を2024年度上期に変更▽17日 電事連が新たなプルサーマル計画を発表、2030年度までに少なくとも12基で実施▽19日 双葉町で「福島イノベーションコースト構想」の将来について考えるシンポ開催、加藤官房長官も出席▽21日 エネ調基本政策分科会が原子力利用に関し議論、新増設・リプレースの検討を求める意見も▽14日 日本原燃が六ヶ所再処理工場他の設計・工事計画認可で初回申請▽25日 経産省が2050年カーボンニュートラルに向けグリーン成長戦略策定、SMRや高温ガス炉の工程表も示す▽25日 政府原子力災害対策本部、帰還困難区域(特定復興再生拠点区域外)の土地活用に向けた新たな避難指示解除の仕組みを決定▽28日 原子力委員会が年度末に期限を迎える原子力立地地域振興特別措置法に関し「延長が必要」との見解示す 【海外】▽2日 英国政府、プロトタイプ核融合発電所の受け入れ自治体を募集▽7日 ロールス・ロイス社、民生用I&C系事業をフラマトム社に売却へ▽9日 IEAとOECD/NEAが発電コスト予測の分析:既存炉の運転期間延長に大きな経済性▽9日 建設中の米ボーグル3号機 初装荷燃料が到着▽11日 米ケイロス社、テネシー州でフッ化物塩冷却高温炉の試験炉建設へ▽11日 ベルギーのトラクテベル社、SMR事業を重点推進へ▽14日 英国政府、サイズウェルC発電所建設計画でEDF社と交渉開始へ▽16日 米エネ省、先進的原子炉実証プログラムで追加支援の5設計を選定▽16日 フィンランドTVOの株主、オルキルオト3号機の完成に向け4億ユーロの追加融資を承認▽18日 カナダ政府、SMR開発で国家行動計画を公表▽21日 ロシア企業、フィンランドの新設計画に必要な設計書類を事業者側に提出▽21日 チェコ政府、使用済燃料の処分場建設で最終候補地を4地点に絞り込む▽22日 米エネ省の先進的原子炉実証プログラム、開発初期段階の3設計を追加支援▽24日 ロスアトム社、ロシア極東サハ共和国で建設予定SMRの電力売買契約条件で合意▽31日 スウェーデンのリングハルス1号機が永久閉鎖▽31日 英国政府、ホライズン社の新設計画に対するDCO発給の可否判断を4月末まで再延期▽31日 中国、「華龍一号」で新たに三澳1号機を本格着工 ☆過去の運転実績
14 Jan 2021
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新潟県の有識者委員会は1月12日、福島第一原子力発電所事故が及ぼした避難生活に関する検証結果を取りまとめ、花角英世知事に報告を行った。県は、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関わる議論開始の前提として、福島第一原子力発電所事故の「3つの検証」(事故原因、健康と生活への影響、安全な避難方法)を進めており、今回、2020年10月の「事故原因」に続き、「健康と生活への影響」に関する検証結果がまとまった格好だ。同委員会では2017年より、新潟県内居住の避難者へのアンケートやテーマ別調査から得られたデータをもとに、支援団体の声、健康への不安、家族形態別にみた避難生活の課題など、多角的視点から検証を行ってきた。委員会座長として検証結果の取りまとめに当たった新潟大学人文学部教授の松井克浩氏は、報告書序文の中で、「事故による影響が極めて深刻で、長期にわたって続き、回復が難しい」ことがわかったとした上で、「避難者個々の状況も多様化しており、それぞれのケースに応じたきめ細やかな支援や調査を今後とも長期的に続けていく必要がある」と、述べている。報告書によると、福島第一原子力発電所事故による新潟県への避難者数は、2012年5月の6,440人が2020年9月には2,209人となったものの、避難生活の長期化とともに、単身・二人世帯の増加(震災前:32.4%、2017年:50.2%)、3世代同居世帯の減少など、避難の過程で家族が分散した状況がみられている。また、これまで多くの大規模自然災害に見舞われ復興に取り組んできた新潟県だが、原子力災害の生活再建に関わる特徴を、(1)事故の全体像がなかなか明らかにならず線量に対する認識の差を背景に異なるタイミングで広域避難が発生、(2)放射能汚染被害の捉え方に個人差が大きく帰還の有無にも差が出る傾向、(3)東京電力からの賠償金が支援の中心――などと対比・分析。足かけ4年にわたる検証作業で議論された調査データを整理し、報告書では結びに、「現時点で言えること」として、7項目の結論を述べている。例えば、「震災前の社会生活や人間関係などを取り戻すことは容易ではない」といった仕事や地域コミュニティの回復が困難な状況や、「健康被害への不安がリスク対処行動をもたらし生活の質を低下させている」といった放射線リテラシーにつながる課題も指摘。また、広域避難によって生じる自治体間の支援策の違いや、発災から間もなく10年を迎える現在において、「避難者が抱える問題や困難が見えにくくなっている」といった懸念を述べ、「避難者ごとの課題が個別化・複雑化する中で、長期的な支援が必要」などと提言している。
13 Jan 2021
3482
原子力産業新聞が電力各社から入手したデータによると、2020年の国内原子力発電所の運転状況は、総発電電力量449億7,520万kWh、設備利用率15.5%となった。総設備容量3,308.3万kWのところ、新規制基準をクリアし再稼働したプラントは9基・913万kWで、前年に続き新たな再稼働はなかった。2020年は、2019年12月に定期検査入りした四国電力伊方3号機が司法判断により年間を通して停止。関西電力高浜3、4号機はそれぞれ、8、10月に新規制基準で要求されるテロなどに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設置期限を満了しており、いずれも停止中。また、7月に定期検査入りした同大飯3号機では、超音波探傷検査で確認された配管溶接部の傷の補修が行われている。一方、再稼働の先陣を切った九州電力川内1、2号機では、いずれも特重施設の設置工事が完了し、それぞれ11月19日、12月24日に発電を再開。これらにより、設備利用率は前年より5.9ポイント下降する結果となった。*各原子力発電プラントの2020年運転実績(同年12月分を併記)は こちら をご覧下さい。
08 Jan 2021
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経済産業省北海道経済産業局はこのほど、地球温暖化対策に関する知識・取組や家庭でできる環境保全行動「エコ!アクション」について啓発する動画「STOP!地球温暖化」を公開した。厳冬期に向け年間を通じ最もエネルギー需要増が見込まれる北海道だが、動画では、北海道文化放送気象キャスターの菅井貴子氏が「北海道はクルマ社会」と、自動車利用の頻度が多く移動距離も長くなりがちな地域固有の事情もあげ、地球温暖化の要因となる化石燃料からのCO2排出を抑制する生活やエネルギー供給のあり方について語りかける。地球温暖化のメカニズムに関しては、2019年に地球のCO2濃度は過去最高となり世界の年平均気温も過去2番目に高かったという気象庁のデータを示し、「CO2はまわりの空気を暖める性質がある。CO2が増え過ぎると、地球に布団をかける役目となり、宇宙に熱が逃げていかず地球温暖化の原因となる」と解説。日本では昨夏、静岡県浜松市で41.1度Cの史上最高気温(2018年の埼玉県熊谷市の記録とタイ)を記録したところだが、菅井氏は、「地球温暖化は暑くなるだけでなく、異常気象や自然災害を増やしてしまう」と警鐘を鳴らす。「このまま温暖化が続くとどんな未来となってしまうか」と、2100年夏を想定した未来天気予報を「実況」。そこでは、「熊谷45.2度C、東京43.6度C、札幌40.5度C。今日までに全国で12万人が熱中症で病院に運ばれる」との概況に加え、北海道から九州までの各地で気温が40度Cを超す明日の予報、干ばつによる農作物への被害の他、台風の大型化に伴い川の氾濫や崖崩れが激甚さを増す状況などが報じられる。その上で、「私たちは何ができるの?」と問いかけ、詰め込み過ぎず開閉を控えめにする冷蔵庫の使い方や住宅断熱材の活用、緩やかにアクセルをかける「エコドライブ」など、CO2を出さない生活仕様を紹介し、環境保全・エネルギー問題への関心を喚起するという内容だ。
07 Jan 2021
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原子力規制委員会の更田豊志委員長は1月6日、年明け後初の記者会見を行った。新型コロナウイルスの新規感染者数が急増し、7日にも首都圏4都県への緊急事態宣言が発令されるとの報道に関し、更田委員長は、不正アクセスに伴い昨秋より通信ネットワークへの支障が継続している状況から、「どのくらい職員のテレワークが円滑にできるか」などと、業務と感染症対策とのバランスが難しい問題となっていることを強調。規制委員会では現在、内閣サイバーセキュリティセンターの支援も仰ぎ、復旧に当たっているところだが、会合の傍聴登録など、外部からの連絡は電子メールが使えず、電話やFAXによる受信となっている。また、検査要員の現地移動に関わる制約から、今後の政府の方針次第で検査対応の遅れがさらに深刻化することに懸念を示した。なお、2020年4月の緊急事態宣言発令時には、会合の開催頻度調整や一般傍聴受付の休止、原子力規制庁職員のテレワーク推進などの対応をとっている。また、6日の定例会合で規制庁より報告された新規制基準適合性に係る審査状況に関し、審査が進展している中国電力島根原子力発電所2号機について、「審査書案」取りまとめの見通しを問われたのに対し、「終盤にあるのは事実だが、まだ見通しをいえる状況にはないと思う」と述べた。規制庁では、審査中の原子力発電プラントについて、約80項目ある審査の細目ごとに、進捗状況を4つのステータスに分類・整理した一覧表を随時委員会に報告しており、現在、島根2号機に関しては、地震動評価や耐津波設計方針などで幾つか論点が残されているものの、ほとんどの項目が最終ステータスの「概ね審査済み」となっている。
06 Jan 2021
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日本エネルギー経済研究所は12月23日、2021年度の国内エネルギー展望に係る研究について発表した。新型コロナウイルス感染症は「完全終息はせず、防疫対策が継続し徐々に改善」、世界経済は「戦後最低の成長率となった2020年より5.2%増となり、コロナ以前をやや上回る」、化石燃料輸入額は「需要減少で2020年度は前年度比38.4%減、2021年度は需要回復・価格上昇で同15.4%増となるも、低水準」などを主な前提とした「基準シナリオ」を想定し試算・分析を行ったもの。それによると、一次エネルギー国内供給は、コロナの影響による製造業の減産や運輸業の輸送量減少に伴い、2020年度は前年度比5.5%減と落ち込みを見せるが、2021年度は産業活動の回復により同2.6%増へと上向く見通し。「基準シナリオ」で、原子力発電については、既に再稼働した9基に加え、2021年度末までに新たに4基程度の再稼働を予想。一方で、テロなどに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の完成遅れなどにより、2021年度中に4基が順次停止し、同年度内に発電を行うプラントは9基と見込んでいる。原子力による発電電力量は、2020年度の442億kWhから2021年度には797億kWhへと上昇。再生可能エネルギーと合わせた非化石電源の比率は、2020年度にわずかに縮小するものの、2021年度には拡大し、東日本震災以降で初めて30%を超える見通し。また、エネルギー起源CO2排出量については、前年度比8.8%減が見込まれる2020年度と比較し、2021年度には化石燃料の需要増に伴い1.6%増の9.6億トンとなると試算。コロナ以前と比べたCO2排出量減少に関しては、「一時的な経済低迷によるエネルギー需要減少の影響」と分析し、経済活動を犠牲にしないCO2排出削減策の必要性を示唆している。今回の研究では、原子力発電に関し、2021年度内の停止を見込んだ4基が停止しない「高位ケース」、新たな再稼働を見込んだ4基が再稼働しない「低位ケース」も想定し、「基準シナリオ」との比較を行っている。それによると、化石燃料輸入総額は、「高位ケース」で「基準シナリオ」比1,000億円減、「低位ケース」で同900億円増と、CO2排出量は、「高位ケース」で同700万トン減、「低位ケース」で同600万トン増となるなどと分析。これを受け、「2021年度以降も特重施設完成期限を迎えるプラントが増えることから、個々のプラントに応じた適切な審査を通じた再稼働の円滑化がわが国の3E(安定供給、経済効率性、環境適合)にとって重要」と指摘している。なお、原子力規制委員会の規定に基づき、2021年度内に特重施設の設置期限を迎えるのは、再稼働に至っていない関西電力高浜1、2号機、同美浜3号機の3基と、四国電力伊方3号機の計4基。特重施設の設置は再稼働に必要な規制要求だが、プラント本体の工事計画認可から5年間の猶予が与えられている。
25 Dec 2020
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消費者庁は12月21日、主に小学生とその保護者を対象に、親子で学べるウェブコンテンツ「知ろう!考えよう!食べものと放射性物質」を公開した。食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省との協力により制作されたもの。動画とクイズで食品中の放射性物質について説明している。同コンテンツでは、アニメキャラクターが動画の中で、福島を訪れ、「福島第一原子力発電所事故により、食べものの中の放射性物質を気にする人がいる」と問題提起。「放射性物質」、「放射能」、「放射線」の意味を電球の光に例えて説明した上で、霧箱実験を見せる。食品中の放射性物質に関して、福島のリンゴ農園へのインタビューを通じ、生産者の努力で安全な食品が消費者に届けられていることを述べるという内容。霧箱は家庭でも用意できる材料・器具で作り方を紹介。放射線が身の回りにあることを知ってもらい、「放射線は『ある、ない』ではなく、安全かどうかを判断するには『多い、少ない』という量で考えることが重要」と教えている。
23 Dec 2020
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総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会(分科会長=白石隆・熊本県立大学理事長)は12月21日、2050年カーボンニュートラルに向けた火力発電と原子力利用のあり方について議論した。同分科会では、10月末の菅首相による2050年カーボンニュートラルの表明を受け、エネルギー起源CO2削減の観点から、11月よりエネルギー基本計画見直しの検討を本格化。前回12月14日の会合では、再生可能エネルギー導入拡大に向けた課題と対応に関し電力中央研究所などからヒアリングを行った。今回会合では、原子力政策を巡り、資源エネルギー庁が、世界の動向や、福島第一原子力発電所廃炉の取組、原子力の持つ3E(安定供給、経済効率性、環境適合)特性などを説明。新規制基準適合性に係る設置変更許可を受けたが再稼働に至っていない7基、審査中の11基の状況についても具体的に示した。その上で、課題と対応の方向性について、(1)安全性の追求、(2)立地地域との共生、(3)持続的なバックエンドシステムの確立、(4)自由化した市場の中での事業性向上、(5)人材・技術・産業基盤の維持・強化と原子力イノベーション――に整理。これら課題を乗り越え、「国民からの信頼回復」に取り組んでいくことが必要だとしている。〈エネ庁説明資料は こちら〉また、火力については水素発電・アンモニア発電を有望な非化石電力源としてあげた上で、今後のエネルギーミックスの議論に向けて、2050年における各電源を、「確立した脱炭素電源」(再生可能エネルギー、原子力)と「イノベーションが必要な電源」(火力)に大別。発電電力量のうち、再生可能エネルギーで約5、6割を、原子力については、化石燃料とCCUS(CO2回収・有効利用・貯留)/カーボンリサイクルと合わせ約3、4割を賄うといった「参考値」を示し、今後複数のシナリオ分析を行っていくこととなった。資源エネルギー庁がまとめた今世紀後半に向けた原子力発電設備容量の推移で、60年までの運転期間延長を仮定しても、2040年代以降、大幅に減少する見通しが示され、委員からは、新増設・リプレースに関する意見が多く出された。立地地域の立場から、杉本達治氏(福井県知事)は、40年超運転や大飯発電所行政訴訟による県民の不安の高まりなど、直面する課題を述べ、研究開発・人材基盤の整備や国民理解の促進も含め、「長期的な原子力利用の道筋を早く示して欲しい」と訴えた。また、隅修三氏(東京海上日動火災相談役)は、「60~80年の運転期間延長は必須」としたほか、高速炉や高温ガス炉への開発投資に取り組む必要性を強調。この他、原子力については、コスト評価、事故の反省、事業環境に関する意見や、組織・体制に対する不信感から慎重な姿勢をとる人の意見も検証すべきといった声もあった。また、今後のシナリオ分析については、2050年以降や需要サイドの想定も含めた検討を求める意見があった。*参考 総合資源エネルギー調査会基本政策分科会情報は こちら
22 Dec 2020
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浜通り地域の新産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の将来について考えるシンポジウムが12月19日、双葉町産業交流センターで開催され、同構想の実現に向けて活躍する企業、地元学生たちの登壇のもと、成果発表や意見交換が行われた。挨拶に立つ加藤官房長官シンポジウムには、加藤勝信内閣官房長官、内堀雅雄福島県知事、伊澤史朗双葉町長らが訪れ、挨拶を述べた。加藤官房長官は、「福島復興は内閣の最重要課題」との認識を改めて示した上で、福島ロボットテストフィールド、福島水素エネルギー研究フィールド、東日本大震災・原子力災害伝承館の開所や、2023年春の一部開所を目指す「国際教育研究拠点」計画の進展など、「福島イノベーション・コースト構想」を巡る1年間の動きに触れ、同構想が浜通り地域の原動力となるよう期待。内堀知事は、同構想で得られた成果の国内外発信に向け「来年は東京五輪の開催により世界から注目される絶好の機会」と、2022年春の帰還開始を目指す双葉町の伊澤町長は、「20年後の双葉町を担っていく生徒たちに期待。新たな未来を考えていく地」と、それぞれ意気込みを見せた。当日は、双葉中学校の生徒も出席し、伝統芸能の「山田のじゃんがら念仏踊り」や「せんだん太鼓」の練習風景を紹介した。「福島イノベーション・コースト構想」に関わる各界の取組については、阪本未来子氏(JR東日本常務執行役員、基調講演)、徳田辰吾氏((株)ネクサスファームおおくま 工場長)、金岡博士氏((株)人機一体社長)、秋光信佳氏(東京大学アイソトープ総合センター教授)が発表。阪本氏阪本氏は、2020年3月に全線復旧した常磐線に関し、「常磐炭田の石炭輸送が日本のエネルギー政策・経済を支えてきた」役割を経て、現在ではビジネス・観光利用に供される重要路線として発展してきた経緯を紹介。動物侵入防止柵や避難通路の整備など、震災後の常磐線復旧工事について触れたほか、2019年に開設されたJヴィレッジ駅(楢葉町)に関し、(1)平成に開業した最後の駅、(2)日本初の「ヴ」がつく駅(3)JR東日本で初のアルファベットがつく駅――と、駅名のうんちくを語った。「観光は『光を観る』と書く」と、今後の観光振興に期待を寄せる同氏は、震災発生から10年の節目に際し、交流人口の拡大を目指す「巡るたび、出会う旅。東北」をキャッチコピーとした東北6県観光キャンペーンの長期開催計画を披露。徳田氏大熊町でイチゴの周年栽培を行う徳田氏は、「農業分野は閉鎖的で交流が足りない。個人で行う農業と組織で行う農業とではやり方が全然違う」として、他業界からの人材の積極採用を図り、環境制御プログラムなど、様々な技術を開発・検証しながら収穫量を伸ばしてきた経緯を紹介。「多くの観光客が訪れ、『大熊町がイチゴの町になった』と言われるようになれば」と、期待を述べた。金岡氏福島ロボットテストフィールドで人の手足と連動して機能するロボット「人型重機」の開発に取り組む金岡氏は、福島第一原子力発電所事故の経験から、「研究だけでなく社会実装に達することが必要と感じた」と、先端ロボット工学技術の課題を述べ、革新的な知的財産を求心力にリソースと産業を集めるしくみ「人機プラットフォーム」を福島に導入したいと強調。秋光氏高等教育の立場から秋光氏は、保育園・小学校の線量調査など、発災直後から地道に取り組んできた被災地支援活動の経験を踏まえた「復興知学」講義を紹介。講義後の学生アンケートで、「普通の県として扱うべき」といった福島に対する対等なパートナーとしての見方が印象に残ったという。「浜通りは大きなポテンシャルを秘めている」と、同氏は強調し、阿武隈変成帯に着目したミュージアムプロジェクトなど、地域と共同した今後の活動に意気込みを示した。原町高の生徒たちこの他、原町高校からは福島ロボットテストフィールドでの水中ドローン訓練、平工業高校からは土木工学科による中学校への出前授業など、地元5校の高校生たちが浜通り地域に根差した実習経験を披露した。※写真は、いずれもオンライン中継より撮影。
21 Dec 2020
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電気事業連合会は12月17日、新たなプルサーマル計画を発表。同日、電事連の池辺和弘会長(九州電力社長)が梶山弘志経済産業相を訪れ報告した。7月に行われた経産相と電気事業者他の経営トップとの意見交換会の中で、経産相より事業者側に対し核燃料サイクルに関する要請事項(使用済燃料対策、六ヶ所再処理工場のしゅん工、プルサーマルの導入、バックエンド対策)が示されていた。今回の新たな計画は、六ヶ所再処理工場やMOX燃料工場の新規制基準適合性に係る審査の進展を踏まえ、要請事項に対し電事連が示した取組状況の一つで、プルサーマル発電について、早期かつ最大限導入することを基本に、「2030年度までに少なくとも12基の原子炉」での実施を目標としている。プルサーマルのしくみ(電事連ホームページより引用、使用済MOX燃料の再処理については今後検討を進めることとなっている)プルサーマル発電は、2009年に九州電力玄海3号機で開始。電事連では「16~18基の原子炉でプルサーマルの導入を目指す」との方針を掲げているが、現在、再稼働済のプルサーマル発電炉は計4基(関西電力高浜3、4号機、四国電力伊方3号機、九州電力玄海3号機)に留まっている。新規制基準をクリアし再稼働した原子力発電プラントは現在9基。電事連が発表した新たなプルサーマル計画では、「稼働するすべての原子炉を対象に1基でも多くプルサーマルが導入できるよう検討し、プルトニウムの需給バランスの確保に最大限取り組んでいく」としている。また、電事連は、新たなプルサーマル計画の策定に際し、使用済燃料対策の拡充に向け、東京電力と日本原子力発電が設立したリサイクル燃料貯蔵(株)が建設を進めるむつ中間貯蔵施設の共同利用の検討に着手するとした。これに関し、梶山経産相は、18日の閣議後記者会見で、「新たな選択肢を検討することは、核燃料サイクルを推進する上で大きな意義がある」と述べた上で、「青森県、むつ市に対し丁寧に説明し理解してもらうことが重要」と、事業者と連携し地元の理解促進に主体的な姿勢で取り組んでいく考えを示した。
18 Dec 2020
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新日本空調はこのほど、VR(バーチャルリアリティ)技術を活用し原子力空調設備施工に係る工事状況の確認・各種検査を遠隔で行う現場支援システムを確立したと発表した。360度撮影カメラとVRゴーグルを利用し現場状況をよりリアルに再現し共有するもの。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現場への大人数での立入りが難しくなっている状況下、設計や品質管理に通じたベテラン技術者が本部に在室したまま、施行状況のチェック・アドバイスの他、作業安全や品質検査の技量向上に関する若手への指導を、タイムリーに行うことが可能となる。遠隔医療や障害者支援などにおけるVRシステム導入で実績のあるジョリーグッドとの共同で開発された同システムは、現場担当者が高性能カメラ(360度/8K)と小型簡易カメラ(360度/5.6K)を用いて予め設定されたポイントで現場状況を撮影し、データをサーバーに転送した後、本部側で専用のVRゴーグルを通じ視聴できるというもの。各自の視点に合わせ360度を見渡せるVRゴーグルは同時に10台まで接続できるほか、タブレット端末からの映像の移動やマーキングにより、VRゴーグルを装着したまま工程の要所ごとに議論することも可能。新日本空調は、戦前の満鉄特急「アジア号」の全列車客室空調に始まり、日本初の超高層ビル霞ヶ関ビルの空調設備の施工も手掛けた「空調設備のパイオニア」だ。原子力分野でも、1957年の研究炉「JRR-1」(日本原子力研究所)への施工以降、商業用原子力発電所の換気・空調でも多くの施工実績を持つ。同社は微粒子可視化に係る技術を強みとしており、最近では新型コロナウイルス感染症拡大下での劇場利用の考察に向け、楽器メーカーや音楽関連団体との協力で管楽器演奏や合唱における飛沫流動の検証実験も行っている。
17 Dec 2020
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経済産業省東北経済産業局はこのほど、2020年の「東北経済・産業の10大ニュース」を発表した。毎年、同局内で候補となる印象的な出来事を募集し、職員の投票により選定を行っているもの。2020年の10大ニュースとして筆頭に上がったのは、「東北各地で新型コロナウイルス感染症拡大の影響深刻。工場の稼働停止や小売店の営業自粛措置、東北の夏祭りやイベントの中止が相次ぐ」だった。他9件の中には、東日本大震災後の産業復興に関するものが多くあがった。「常磐線が9年ぶりに全線運転再開」、「浜通りの産業再生の拠点『福島ロボットテストフィールド』が開所」、「世界最大級の再生可能エネルギー由来の水素製造装置を備えた『福島水素エネルギー研究フィールド』が開所」、「東北から新型車続々。東北地域のものづくりを大きく牽引」など。JR東日本・常磐線は、3月の帰還困難区域の一部解除(富岡町、大熊町、双葉町)に伴い、最後まで残った不通区間「富岡~浪江」が運転を再開。仙台から都内までを直通する特急「ひたち」も運行されるようになった。同じく3月に全面開所した「福島ロボットテストフィールド」(南相馬市、浪江町)には、2018年7月の一部開所から2020年10月末までの約2年間に3万人以上が視察や実験に訪れた。5月には福島第一原子力発電所の使用済燃料プール内調査に向けた水中ロボットの操作訓練も実施。現在、20の企業・団体が入居しドローンや空飛ぶクルマなどの開発に供されており、今後、国内におけるロボットの一大開発拠点として、浜通りの産業再生、福島のロボット関連産業の発展に寄与することが期待される。昨今消費税増税や新型コロナウイルスの影響により自動車販売は低迷気味だが、トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)が東北地域で全量生産する小型SUV車「ヤリスシリーズ」が売上げを伸ばし、地域のものづくり企業の下支えに貢献した。また、復興関連の他、10大ニュースには、「脱炭素化に向けてエネルギー政策に動き」があがった。10月に菅首相が「2050年カーボンニュートラル」を表明し、これを踏まえたエネルギー基本計画見直しの検討も開始。2020年は、東北電力女川原子力発電所2号機について、11月に宮城県知事が国の再稼働方針に理解を表明したほか、六ヶ所再処理工場、MOX燃料加工工場、むつ中間貯蔵施設の安全審査が進展するなど、東北地域に立地する原子力・核燃料サイクル施設に係る動きがあった。
15 Dec 2020
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関西学院大学の災害復興制度研究所はこのほど、福島第一原子力発電所事故に伴い避難した住民の生活に関する調査結果を発表した。同研究所は、阪神・淡路大震災による学内犠牲者の発生、救援ボランティア活動の経験を踏まえ、震災から10年の節目となる2005年に設立され、「人間の復興」を理念に、人文・社会科学の側面から復興制度に係る研究を行っている。今回の調査は、兵庫県立大学、川崎医療福祉大学、その他NPOの協力で行われたもの。調査は、2020年7~9月、生活再建支援拠点を通じて4,876件の調査票を配布し、福島第一原子力発電所事故発生から10年を迎えるのを前に、仕事や居住環境など、発災以前との生活の変化について尋ねた。回収数は694件(回収率14%)。調査結果によると、回答者の年齢構成は40、50歳代が多く全体の54%を占め、平均は55.8歳。性別は男性40%、女性60%だった。震災当時福島県内に住居があった人が75%を占め、現状の避難指示については、帰還困難区域が14.4%、避難指示解除区域が20.2%、指定なしが60.1%となっている。震災前と昨年との総収入の比較では、300万円を境に、以上が減少、未満が増加しており、収入の低下がみられた。震災前と現在との職業については、農林水産業、会社勤め、自営業、専門職がいずれも減少する一方、臨時雇用・パート・アルバイトが15.9%から21.9%に、専業主婦が8.4%から12.2%に、無職が17.0%から27.2%にそれぞれ増加していた。避難先での近所づきあいについては、「何か困ったときに助け合う親しい人がいる」が51.9%から19.3%に大きく減少。仕事、収入、健康、余暇、住宅、地域環境、教育環境、自然環境、公共施設、文化活動、スポーツ活動、買物、医療、交通、生活全般の計15項目に関する満足度の震災前後の比較では、買物と交通の利便性でわずかに「満足・やや満足」の増加がみられたが、すべての項目で「不満・やや不満」が増加していた。震災前の居住地が帰還困難区域にある人については、87%が住民票を故郷に残したままとしており、避難先地域への愛着度はかなり低くなっている。また、将来福島に戻る意向では、67%が「戻るつもりはない」と回答していた。震災前の居住地に戻っていない理由(複数回答)としては、「空間線量は下がったが山林や草地の汚染されたところが残っていると思うから」が46.1%で最も多く、「現在の居場所で落ち着いているため」が44.8%でこれに次いだほか、廃炉作業への不安、仕事や子供の学校の都合などがあげられた。今回の調査結果では、まとめとして、「帰りたい想いと帰れない状況、様々な要因が複雑に絡み、改めて『人間の復興』を実現する状況には至っていない」と指摘。災害復興制度研究所は合わせて、原子力災害に関し、(1)避難者準市民制度の創設、(2)避難時最低所得補償の創設、(3)避難者援護法の制定と援護基金の創設――を提言した。
14 Dec 2020
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原子力平和利用の国際協力枠組「アジア原子力協力フォーラム」(FNCA)の大臣級会合が12月10日、オンライン形式で行われた。FNCAでは、オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナムの12か国の参加により、放射線利用を中心としたプロジェクト活動が実施されている。今回の大臣級会合には、日本から、井上信治内閣府科学技術政策担当大臣、岡芳明原子力委員長、和田智明FNCA日本コーディネーターらが出席。開会に際し挨拶に立った井上大臣は、「農業、医療、工業、環境の各分野での利用が目覚ましく拡大し、アジアの持続的開発に貢献している」と、FNCAによるプロジェクト活動の成果を評価した上で、将来に向け原子力科学技術の恩恵が幅広く共有されていくことを期待した。講演を行うグロッシーIAEA事務局長FNCAは発足から20年来、IAEAアジア原子力地域協力協定(RCA)による活動との相乗効果の強化に努めてきたが、今回の大臣級会合では、IAEAよりラファエロ・マリアーノ・グロッシー事務局長がオンラインにて講演を行った。同氏はまず、「アジア地域の原子力活動は非常にダイナミズムに満ちている」と、FNCA活動の将来性に期待。一方、「2020年は世界がこれまでに最も大きな課題に直面した年だった」と、新型コロナウイルス感染症拡大による影響に見舞われた1年を振り返り、6月に提唱した「ZODIAC」(Zoonotic Disease Integrated Action、動物由来の感染症対策強化に向けた包括的フレームワーク)を紹介。「ZODIAC」は、IAEAがこれまで実施してきた原子力技術を活用したPCR検査、獣医学診断ネットワークなどの個別プロジェクトの統合化により、国際的な感染症対策の強化を図るもので、日本も100万ユーロの支援を行っている。「SARS、ジカ熱、エボラ出血熱など、パンデミックは概ね1年半ごとに発生している」と、グロッシー事務局長は述べ、蓄積された経験を活かすとともに、加盟各国がリソースを提供し合い、次のパンデミックに備えておく必要性を強調した。各参加国からの概況報告、意見交換を受け、大臣級会合は、(1)FNCAとIAEAのさらなる連携、(2)停滞を余儀なくされているプロジェクト活動の正常化に向けた努力、(3)ZODIACプロジェクトへの協力、(4)ウェブシンポジウムなどを活用した研究・技術人材交流の強化――を盛り込んだ共同コミュニケを採択し閉会した。
11 Dec 2020
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日本原子力研究開発機構は12月8、9日、核不拡散・核セキュリティについて話し合う国際フォーラムを開催した。同機構核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の主催により、オンライン形式で行われた。今回のフォーラムでは、ISCN設立 10周年を機に、これまでの活動成果を振り返るとともに、8日には学生セッションを設け、ISCNが実施する夏期実習に参加した学生4名からの報告も踏まえ、次の10年に向けた課題について議論。ISCNは、核兵器、核物質、放射性物質を使った「核テロ」を防止するため、様々な措置を講じる核セキュリティの強化に向けて、2010年に米国で行われた「核セキュリティ・サミット」において日本政府の提唱を受け原子力機構に設置された組織で、核物質検知・鑑識などの技術開発や、アジア諸国を中心とした人材育成支援を行っている。8日に行われた学生セッションで、北朝鮮などによる核実験の国内監視に関するテーマで実習に参加した東海大学工学部3年の栗城祐輔さんは、「HYSPLIT(気象データを用いて放射性物質の大気中の移動・拡散をシミュレーションする大気輸送モデル)を用いた核実験によるキセノン133の拡散予測および解析」との研究報告を披露。北朝鮮による核実験実施を想定し、4つの気象条件、(1)冬型の気圧配置、(2)台風、(3)温帯低気圧、(4)猛暑――で放射性物質の拡散状況が大きく異なることを示した上で、CTBT(包括的核実験禁止条約)に基づくモニタリングステーションの効果的な配置について考察し提案した。また、学生らは実習報告に続いて、ディスカッションに臨み、核不拡散・核セキュリティの将来に向け、今後の国際社会、日本、原子力機構の役割や期待について議論。核不拡散・核セキュリティについては、「周囲に話し合える学生がいない」、「原子力を学ぶ学生でさえもほとんど知らない」との認識から、広島大学大学院先進理工系科学研究科修士1年の白藤雅也さんは、自身の経験として原爆体験談と合わせた学ぶ機会の設定を提案。この他、「IAEAとも協力し映像教材を作成しては。オンライン形式やアニメなど、媒体も工夫すべき」、「文科系の人は伝えることが上手いと感じる。是非巻き込むべき」といった教育や情報発信に関する意見が多く出され、白藤さんは、これらを集約し翌9日のセッションで報告した。核不拡散・核セキュリティの今後10年に向けた展望を述べる直井ISCNセンター長(オンライン中継)国内行政機関の他、IAEA、米国エネルギー省(DOE)などを交えた2日目のセッションでは、「専門家ではない政治家、一般の人々も含め、共通の問題意識を持つことが重要」(外務省)、「廃止措置施設に係る核セキュリティや、人材育成に関して女性を対象としたフェローシップ制度も必要」(IAEA)、「サイバー攻撃の脅威は今後10年間で一層高まっていく」(原子力規制庁)といった意見があった。参加者からは、米国の政権移行に伴う核セキュリティの動向に関する質問が多く寄せられ、DOE・在日米国大使館エネルギー首席担当官のロス・マッキン氏は、「超党派のサポートが10年以上あり、バイデン政権でも続くと確信を持っている。日本との関係、世界とのパートナーシップをより強くしていきたい」などと述べた。なお、ISCNでは、設立10周年を機にパンフレットを制作し公開している。
10 Dec 2020
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原子力規制委員会は12月9日の定例会合で、日本原燃のMOX燃料加工工場(青森県六ヶ所村)に関し、新規制基準に「適合している」として、原子炉等規制法に基づき事業変更許可の発出を決定した。2014年1月の審査申請からおよそ7年を経ての判断。7月には同じく六ヶ所再処理工場が事業変更許可に至った。再処理工場で使用済燃料からウランとプルトニウムを回収し、混合酸化物燃料(MOX燃料)として軽水炉で再利用する(プルサーマル発電)。今回のMOX燃料加工工場に係る決定に際し、規制委は10月7日に「審査書案」を取りまとめ、経済産業相への意見照会、パブリックコメントに付していた。計545件寄せられた一般からの意見では、六ヶ所再処理工場操業の見通し、プルサーマル計画の具体性など、核燃料サイクル政策に関するものが多くを占めた。定例会合終了後の記者会見で、更田豊志委員長は、原子力委員会が示すプルトニウムの需給バランスにも言及し、「再処理とMOX燃料加工はセット。加工することによって安全性、核拡散抵抗性が高まる」と述べ、施設の早急な運用開始の必要性を示唆した。MOX燃料加工工場は六ヶ所再処理工場と同じく2022年度上期のしゅん工が目標となっている。日本原燃は「安全を最優先に建設工事を進め、地域の皆様に安心してもらえるよう、当社社員、グループ会社、一丸となってしゅん工に向けて全力で取り組んでいく」と、電気事業連合会は「原子燃料サイクルの実現に向けた大きな一歩。今後も業界一丸となって日本原燃を支援していく」とのコメントをそれぞれ発表した。〈日本原燃コメントは こちら、電事連コメントは こちら〉
09 Dec 2020
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【国内】▽2日 内閣府、感染症流行下での原子力災害防護措置でガイドラインをまとめる▽9日 経団連が「。新成長戦略」発表、2030年の建設着手を目指す新型炉開発も▽11日 規制委、むつ中間貯蔵施設の新規制基準審査で事業変更許可▽11日 九州電力川内1号機で、「特定重大事故等対処施設」が初の運用開始(19日に発電再開)▽11日 新潟県の委員会が福島第一原子力発電所事故検証で避難生活影響に関し報告書を取りまとめる▽11日 原子力委員会とインドネシア原子力庁(BATAN)が原子力技術研究で共同シンポ開催(~12日)▽17日 NUMOが高レベル放射性廃棄物の処分地選定で文献調査実施へ、寿都町・神恵内村の応募を受け▽18日 東北電力が女川2号機の再稼働に関し宮城県・女川町・石巻市より「事前了解」受領、2022年度の安全対策工事完了を目指す▽18日 2019年度エネルギー需給実績が発表される、CO2排出量は6年連続で減少▽20日 衆参両院が「気候非常事態宣言」を可決、「一日も早い脱炭素社会の実現」を▽24日 福島第一原子力発電所1号機使用済燃料プールで「がれき落下防止・緩和対策」が完了▽25日 高浜町議会が関西電力高浜1、2号機の40年超運転に同意▽27日 原子力委員長に東大・上坂充氏、衆参両院の同意がそろう▽27日 原子力機構と英国原子力規制局(ONR)が高温ガス炉の安全性に関する情報交換で取決め締結▽30日 三菱重工が2050年カーボンニュートラルに向けた戦略「エナジートランジション」を発表 【海外】▽2日 米ホルテック社、日本で同社製使用済燃料貯蔵システムの建設目指し日立と覚書▽3日 ベラルーシ初の商業炉が送電開始▽3日 中国で建設中の実証モジュール高温ガス炉(HTR-PM)で冷態機能試験が完了▽4日 ポーランドの化学素材メーカー「シントス社」、米USNC社製SMRの建設に向け実行可能性評価▽8日 英ロールス・ロイス社のSMR開発チームに米エクセロン社が運転経験で協力▽9日 英ロールス・ロイス社、チェコでのSMR建設に向け国営電力と覚書▽10日 米ニュースケール社、開発中SMRの出力を7.7万kWに増強▽10日 米テレストリアル社、溶融塩炉の商業化に向けアルゴンヌ研と詳細試験▽10日 ロシアのRBMK原子炉、レニングラード2号機が永久閉鎖▽13日 カナダ・オンタリオ州、ダーリントン発電所サイトでSMR建設に向けた活動開始▽16日 カナダ政府、放射性廃棄物処分政策の最新化と統合戦略の作成開始▽16日 カナダのNBパワー社がARC社、モルテックス社とSMRベンダー・クラスター設立▽18日 英ジョンソン首相、CO2排出量の実質ゼロ化に向け原子炉の新設を確約▽18日 トルコの規制当局、アックユ3号機の建設許可発給▽20日 ハンガリー公益企業規制庁、電力法に基づきパクシュII期工事建設計画を許可▽23日 南ア、250万kWの原子力発電設備建設に関する意見募集開始▽24日 米印がインドの「原子力パートナーシップ・センター」における協力を10年延長▽25日 英財務省、国家インフラ戦略で原子力の価値を強調▽27日 中国で「華龍一号」の福清5号機が送電開始▽27日 インド規制委、ゴラクプール1、2号機建設計画で最初のコンクリート打設を許可▽30日 スウェーデンのバッテンフォール社、エストニアのSMR導入計画への協力を拡大☆過去の運転実績
08 Dec 2020
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経済産業省の資源・エネルギー分野のワーキンググループが12月7日に会合を開き、関連する業界団体から2030年度に向けたCO2排出削減目標に対する進捗状況について報告を受けた。同WGは、経産省の地球温暖化対策について検討する委員会下に設置されている。今回報告を行ったのは、電気事業低炭素社会協議会、石油連盟、日本ガス協会、日本鉱業協会、石灰石鉱業協会、石油鉱業連盟、日本LPガス協会の7団体。今後、鉄鋼、流通・サービス、自動車など、他分野に関するWGからの報告も総括した上で、産業界による地球温暖化対策の自主的取組「低炭素社会実行計画」の評価・検証に資することとなる。計62社の電気事業者からなる電気事業低炭素社会協議会は、2015年に「電気事業における低炭素社会実行計画」を策定(協議会発足前で、電気事業連合会、新電力の有志による)。2030年度に排出係数0.37kg-CO2/kWhを目指すとされた。全国電気事業者に占める同協議会参加企業のカバー率(販売電力量ベース)は9割台を維持。WGでの説明によると、非化石エネルギーの利用拡大、電力設備の効率向上などに継続的に取り組んできた結果、2019年度の実績で、販売電力量が2013年度比で10.8%減少したのに対し、CO2排出量は同約30%減、CO2排出係数は同約22%減と、大幅な削減幅となったとしている。電源別の電力量比率は、原子力が7.0%、再生可能エネルギーが18.5%で、非化石エネルギーの占める割合は協議会が発足した2015年度以降、最も高くなった一方、化石燃料は67.3%で最も低くなった。また、協議会では、実行計画に基づく企業活動や国際貢献の推進、革新的技術開発に加え、昨秋には2030年度以降に向けた長期ビジョンを策定・公表したほか、PDCAサイクルに新たな評価軸を導入し会員企業のインセンティブ向上などに努めている。各団体からの報告を受け、WGの委員からは、2050年カーボンニュートラルを見据えた目標設定、革新的技術の具体的な導入見込み、社会・経済面とのバランス、教育も視野に入れた情報発信などに関する意見があった。
07 Dec 2020
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衆議院の原子力問題調査特別委員会が12月3日に開かれ、原子力規制委員会の更田豊志委員長(=写真上)ら政府関係者招致のもと質疑応答が行われた。冒頭、更田委員長が規制委員会の業務について説明。新規制基準への適合性審査では、原子力発電プラントについて11事業者から27基に係る申請を受け、うち16基に設置変更許可を発出し、その他の原子力施設については9事業者から21施設に係る申請を受け、うち16施設に事業変更許可等を発出した実績を述べた。この他、福島第一原子力発電所廃炉の取組に関する監視・指導や事故の分析調査、新検査制度の運用、安全研究を通じた新知見の取得、原子力災害対策などをあげ、「原子力利用の安全が確実に担保され、原子力規制に対する信頼が回復されるよう、今後も努力していく」とした。自由民主党で電力安定供給推進議員連盟に所属する細田健一氏(=写真下)は、審査の長期化がエネルギー安定供給に与える影響を懸念し、行政手続法が定める標準処理期間や、米国原子力規制委員会(NRC)の「良い規制の原則」をあげながら、審査の効率化を要望。更田委員長は、審査実績の有効活用やチーム体制の構築に努めているとする一方、「プラントごとに異なる自然ハザード」を、審査長期化の一因としてあげ、地震規模の想定や敷地内断層に関する追加検討など、「事業者の対応によるところも大きい」として、規制側・事業者側、双方の努力が必要なことを示唆した。また、細田氏が原子力発電所の運転サイクル(定期検査の間隔)に関し柔軟な判断を求めたのに対し、更田委員長は、「運転サイクルを延ばすことは必ずしもリスクの増加につながるものではない。諸外国では一般に16~18か月、長いところでは24か月、日本の運転サイクルは国際的にみて短い。事業者からの提案があれば議論していきたい」と答えた。この他、細田氏は、バックフィット(既に許認可を受けた施設が新知見に基づく規制要求に適合することを確認する)運用に関する産業界とのコミュニケーションについて意見を述べた上で、規制委員会に対し、現場で運転管理に当たってきた電力会社OBの積極的採用や、新興国も含めた海外規制機関や国際機関との人的交流などを喚起し、「国際的に高く評価される組織であって欲しい」と期待した。新型コロナウイルス感染症の拡大をとらえ、公明党の中野洋昌氏は、原子力災害発生時における感染症対策について質問。これに対し、内閣府大臣官房審議官(原子力防災)の佐藤暁氏は、6月に策定した「感染症流行下での原子力災害時における防護措置の基本的考え方」を踏まえ、女川、高浜、大飯の各原子力発電所立地地域の緊急時対応改定を図ったほか、11月には防護措置実施のガイドラインをまとめたとし、他の立地地域への対応についても「関係自治体と一体となって速やかに取り組んでいく」と答えた。※写真は、いずれもインターネット中継より撮影。
04 Dec 2020
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